時給に換算しないこと

人が使える時間には限りがあります。限りある時間を最大限に活用しながら、私たちはお金を稼いでいます。よくあることが、「自分の働き」を時給に換算するということです。それはある意味時間効率を考えることであり、「自然」なように見えますが、実は足りないものがあるのです。

自分が「いくら貰えるのか」ということだけに視点がいってしまうと、「仕事」の本質から外れてしまうことになりかねません。大切なことは自分が組織に対して「いくら売り上げを上げたか」であり、時間換算するのはこちらの方です。自分が組織に対して「どれだけの売り上げをどれだけ効率的に上げたのか」ということを考えなければ、「自分がいくらもらうのか」という部分と「ズレ」が生じるのです。

自分の給与に不満がある人は、この「生産性」を度外視していることが多いものです。自分の懐に入る金額だけに目がいき、肝心の「ビジネスとしてはどうなのか」というところに関しては度外視している、それどころか「売り上げが上がらないのは組織のせいで、自分はよくやっている。だから自分だけは給与を上げてもらってもいいはずだ」と、歪んだ考えを持ってしまうようになるのです。

「時間をかければ儲かる」という法則があるのであれば、誰もが徹夜します。「もっとお金を稼ぎたい」と考えている人は大勢いるのです。ただ、全体として、組織として、会社として収益が低いのであれば、当然ですがそこに属する人の給与が良くなるわけがないのです。

本当に考えなければいけないことは、「自分がどれだけ貢献しているか」ということです。自分がいったいどれだけの売り上げを出しているのか、自分がいったいどれくらいの「価値」を、その組織で持っているのか、考えることです。「やればやるだけ儲かる」ということではありません。「今が完璧、自分は完璧」などということはありません。自分自身がどれだけのものなのか、どれほどのものなのか、それに対しての現在の給与はどうなのか、その視点が大切なのです。

自分の価値を知り、それを高める。それが収入アップの基本ですし、もしも現状の収入と自分の価値が見合っていないと感じるのであれば、「転職」してみればいいのです。もしも本当に「価値」があるのであれば、仕事などはいくらでもあるのです。優秀な人材が欲しい組織は、いくらでもあるのです。それがわからないまま、「やっているのにお金がもらえない」というのでは、「小学生のお手伝いレベル」の考えだということです。

世の中には電話一本で100万円単位の契約をこなす人もいます。対して「コツコツと積み重ねる人」もいます。どちらにしても、会社に対する貢献度を考えれば「大切な人材」です。

「給与を上げてもらえば自分はもっとできるはずだ」と考えているようであれば、それは大間違いです。「今、できていない」ような人は「今後」もできません。少なくとも組織はそう考えます。「辞めます」とふっかけてみたところで、「どうぞどうぞ」と言われるのがオチです。「価値」のない人は稼げないのは自然なことです。今が不条理なのか、当然の結果なのか、それをよく考えることです。自分がいったいどれほどのものなのか、よくよく自問したほうがいいでしょう。

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