景気とは何か

ビジネスが傾いていく際、「景気のせいだ」と決めるのは簡単です。景気が悪いということは人があまりモノを買わないというイメージがあります。ですが、景気が悪くなったからといって「何も買わない」という人はまずいないはずです。

ビジネスの不振を景気や何か自分以外の状況のせいにするのは簡単です。ただ、それでも「売れている」モノは売れているのですから、どのような状態であってもビジネスチャンスはあるはずなのです。

景気が悪くなると一般的に「デフレ」になります。つまり「モノの値段が下がる」のです。それは人が「財布のヒモを固くする」からです。なぜ財布のヒモが固くなるのかというと、「収入が減りそう」、あるいは「減った」からです。だから「同じモノでも安く買いたい」のです。そこでモノの値段は自然と降下します。ただ、そのようにして売り上げが下がったり、利益が現象したりすると、その物事を扱う組織や会社は「儲からない」ということになります。そこに属する人の給与が現象しても仕方がありません。

そのようにして「悪循環」に陥った景気は、なかなか好転するものではありません。そのままゆるやかに下降していく、「デフレスパイラル」といわれる現象が起きるのです。その状態が財布のヒモを固くする原因です。

それでは、そのような状態でどのようにして「戦う」のかというと、例えばターゲットを絞ることが大切です。「どのような人であれば不景気など関係なく暮らしているのか」など、自分の商品を「買ってくれる人」はどのような人なのか考えるということです。

高付加価値を極め、ハイエンドスペックに高めたものを「富裕層」に販売するということもひとつの選択肢ですし、製造工程から原料まですべて見直し、徹底的にコストダウンをして「安いモノ」、景気に合わせたものを提供するのでもいいのです。そのような取り組みは特段景気が悪くても続けていて然るべきものなのですが、売り上げ実績がどうしても悪くなってしまった場合、「そのまま」では上昇しないのです。

モノを売ることは市場とのコミュニケーションのようなものです。コミュニケーションとは「反応」があることです。さまざまな角度から市場に対して問いかけ、その反応で「答え」を得るということが大切です。時代は常に流れているものですし、それに合わせてビジネスは変化していくべきものです。ただ漫然と売っているだけでは当然実績は変わりません。

「景気」とは社会全体の事象ではあるのですが、ここで欠けてはいけないのは「自分も、このビジネスも、社会を構成するひとつの要素である」ということです。景気が悪いのは、自分や自分が関わるビジネスのせいでもあるのです。人や状況のせいにするのではなく、その中で自分は何ができるのか、ビジネスはどのように変化すべきなのか、それを「考える」ことをしなければ、今の時代ではあっという間にシェアを奪われてしまうのです。ビジネスは弱肉強食です。市場が限られているのであれば、その中でどれだけの割合を専有することができるのか、それは「競争」です。安全な競争などはないのですから、常にライバルがいるものです。ビジネスとは甘いものではありません。

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