蓄財のススメ

現在では「普通に働く」ということさえも難しくなってしまったようです。一生懸命勉強をして、良いとされる大学に入ったからといって、必ず「仕事」に就けるわけではありません。そこには「必要とされる」ということが必要になったのです。

現在の企業はどこも「仕事を与える」ということが大変になってきているようです。一人でも多くの人に働いてもらい、仕事を通じて豊かな暮らしを得てもらうということは「企業の宿命」でもあります。そして働く人たちの力を効果的に集合させ、「事業」を展開し、収益をあげるのです。私たちが日々受け取る「給与」は、企業が事業によって上げた収益を分配してもらったものでもあります。

ですが、「収益がなければ給与を払わなくてもいいか」というと、企業はそういうわけにはいかないのです。雇用契約に基づいて働いた分の給与は、私たちは手にする「権利」があるのです。それは会社が儲かっていても、儲かっていなくても、同じことです。もちろん、事業がうまくいっていないのに人件費だけかさめば、会社は「赤字」になります。大企業などでは赤字になってもすぐに転覆することはありません。それまで貯めた資本や、銀行や投資家からの融資を受けて事業を継続することができます。

ですが、「どうしても黒字化できない事業」というものも存在します。むしろ、現在ではそのようなものの方が多いのかもしれません。事業の根幹は「誰かに何かを買ってもらうこと」です。誰かが何かを「買う」ことで初めて、その事業の「売り上げ」になるのです。お金を払う相手は誰でもいいのです。最も基本的な部分でいけば「個人」から、大規模なものでは「企業間」の取引など、多岐に渡ります。ですが共通していることは「お金」が介在していることです。お金のやり取りがあって初めて「ビジネス」なのです。

ただ、現在は「不況」といわれる状態です。誰もが「お金」に対して敏感になっているのです。お金に対して「注意力」が高まってきているといってもいいでしょう。個人であっても、企業であっても、それまでと同じようにお金が「稼げるのか」ということが心配なのです。だから「出費」を渋るのです。その結果、それまでお金を払ってもらっていた側が「減収」ということになります。一般的に、売り上げがないと利益もないものです。利益がないということは、その事業に関わった人立ちの人件費が負担になります。

だから「雇用が失われる」のです。それが「負の連鎖」として「不況」を生み出しているといってもいいでしょう。発端はどこなのか、わからないのです。誰から始まったものなのかはわからないのです。ですが、そのような「景況感」が「消費」に影響することは間違いありません。「モノが売れない時代」が「今」です。そんな時代ではいつまで自分の「給与」が保証されているのかどうか、わかりません。

だから「蓄財」が必要なのです。「雇用」は安全ではないということです。安全ではないなら、「備え」が必要です。備えとは「蓄財」です。生きるためにはお金がいるのですから、そのお金が安定的に得られなくなった時のことを考えておく必要はあるでしょう。今の時代、蓄財は当然の危機意識です。

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