自分を商品として考える

組織に所属していれば、「組織に対してどれだけ貢献しているか」ということを追求すれば自然と自分の収入も上がるものです。そしてどのような環境においても、ビジネスをどのように進めるのかということが大切であることは間違いがありません。

ですが、誠実に仕事をこなしていれば「収入が上がるか」というと、それはその組織にもよります。自分がどれだけの「価値」があるのかを示すのは「実績」ですが、その指標になるのは「目標値」や「計画値」です。目標や計画を持って仕事をすることは当然のことではあるのですが、その「設定」次第で「価値」が見えなくなってしまうことも往々にしてあるからです。

「営業」が最もわかりやすいのですが、「目標値」をこなさなければ「仕事をしていない」とみなされてしまうものです。会社のなかの「評価」は、「人件費」を定めるための重要なものです。「人件費」は「コスト」でもあるので、簡単に給料は上がりません。会社が成長していなければもちろんですが、「期待値」に達していない社員の給料を上げることはないからです。

ただ、この「期待値」は建前と実際に幅を持たせることができます。目標としては到底到達できないようなものでありながら、実際はその半分をこなせればいいというようなことがあるのです。その「実際の数字」は社員には開示されないものです。それは上層部の中だけで共有されるものであり、社員を「安く働かせるための作戦」でもあるのです。

そのような状態はいわば「飼い殺し」でもあります。飼い殺しの状態になってしまうと、もちろん給料は上がらず、さらに実際は会社に貢献しているのに「仕事が出来ていない」と叱責を受けるようなことになってしまうのです。自分の貢献を歪められていることと同じです。

今の社会で生きていくためには、自分の「価値」とはなんなのかをしっかりと会社に伝えることが大切です。そのためには「全体を見渡すこと」がなによりも重要です。全体を見渡し、自分が何をできる人間なのか、実際はどれほど貢献しているのか、それを知る必要があるのです。私たちは毎日忙しいものです。人によってはうまく仕事がさばけず、常に飽和している状態かもしれません。ですが、それが会社の「作戦」であるかもしれません。

昨今流行っている「ブラック企業」といわれるような会社は、その「飼い殺し」の術に長けているといってもいいのです。それはある意味「組織」を守るための上策でもあり、世間的に許されるかどうか別にして「会社」は成長していくものなのです。会社は「経営者」のものです。そうである以上、私たちはその方針に従うしかありません。もちろん労働法で認められている範囲内で働けばいいのですが、その枠を超えて働くひとは沢山います。その中で自分の価値をどう表現していくのか、それが重要です。

そして、どうしても「不合理だ」と感じるような条件で働いている場合、転職すればいいのです。自分が自分に対して感じている「価値」が本当のものであるのであれば、転職先は見つかるでしょう。逆に、自分の「思いあがり」であれば転職先は見つかりません。それが「答え」です。大切なことは「会社」に心まで支配されないということです。

↑ PAGE TOP